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執筆者の写真hfarm1108

自然農法は生き方の提示

 ナチュラルハーモニーの代表である、河名さんの講演を聞かせて頂き、大変感銘を受けた事がありました。河名さんは、野菜の放置実験を通して、自然農法の野菜と有機農法の野菜、そして、慣行農法の野菜の違いを話してくれました。人参などの野菜を切って、ふたのあるビンに入れておくだけの実験ですが、結論から言えば、有機農法の野菜が真っ先に腐り、次に慣行農法、そして、自然農法の野菜は腐る事はなく、酢になると言うのです。焚いたご飯では、有機農法のご飯はひどい腐敗臭を伴って腐っていくのですが、自然農法のご飯は発酵が始まり、なんと自然に麹(こうじ)になるのです。そして、更に時間が経つと麹はお酒になり、お酢になり、最後は水になります。有機農法のものは腐敗が更に進んで、こちらも最後には水になります。

 この実験結果は、私達人間に大変重要なメッセージを伝えているように私は思います。どちらも最後には水に還って行くのですが、その“過程”が違います。その“過程”の違いは、その“素材”によって決定されます。人間が麹菌を加えた訳ではないのに、自然農法のご飯には麹菌が働き、有機農法のご飯には腐敗菌が働くのです。どちらの菌が働くかは、“素材”によって決まります。しかも、自然農法のものは、水になるまでに永い時間をかけて、麹→酒→酢→水というように変化の過程でそれぞれが活かされています。一方、有機の方は、腐敗した後、すぐに水になります。

 これを、人間に当てはめると面白いです。“素材”、つまり、人間の“心身”が純粋であれば、永い人生を送れると共に、歳を取る過程で活かされ、必要とされ、豊かで楽しい人生を味わえるのではないでしょうか。“素材”はその“栽培方法”で決まりますが、人間に置き換えれば、それは“生き方”になるのではないでしょうか。“生き方”次第では、有機農法のご飯が腐敗したように、何らかの病気などで、短い人生で終わってしまうかもしれません。

 我々人間が、大自然に順応し、大自然を尊重し、土と共に生きていくという当たり前の生き方に戻る事ができれば、全ての人が活かされ、豊かで楽しい社会が生まれると思います。

自然農法は単なる安全な食べ物を作る為の栽培法のひとつではなく、人間の正しい生き方の提示であり、大自然から最大の恩恵を受けとる道なのです。


                                     橋本 進


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