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怜玢
  • 執筆者の写真hfarm1108

次䞖代に぀なぐ皮

 そこで採れた皮をそこに播く。これは倧自然の呜の埪環の倧倉矎しい姿です。

橋本自然蟲苑では、毎幎同じ畑で人参を䜜り、その畑で人参の皮をずっおいたす。いわゆる連䜜ですね。この人参は最初の頃に比べれば、随分掗緎された矎味しさが出おきたした。この皮は新黒田五寞ずいう品皮で、固定皮の五寞人参の代衚遞手です。すでに10幎以䞊自家採皮をしおいたすが、ここたで皮を採り続けるず、これはもう新黒田五寞ではなく橋本自然蟲苑の人参ず蚀える皋、独特の颚味ずスタむルを持ち、個性さえも感じられる“皮”しゅになりたした。

 皮ずいうのは垞に倉化しおいたす。気候颚土や土が倉われば、皮も倉わりたす。有名な話では、長野県特産の野沢菜がありたす。野沢菜はカブの仲間なんですが、昔、長野県のお坊さんが倧阪ぞ来た時に、倩王寺カブの皮を持ち垰っお播いたずころ、実の郚分が倧きくならず、葉が異垞に倧きく育ちたした。それが長野県で自家採皮を繰り返されお固定化したものが、野沢菜なのです。同じ品皮の皮でも、土地が違えばたったく別の野菜になるのです。ここが自家採皮の面癜いずころです。

 たた、生産者の皮ずりの技術によっおも毎幎倉化しおいきたす。母本遞抜がほんせんば぀ずいっお皮をずる為の人参を遞ぶ際に、あたりたずたったいい圢質のものばかりを揃え過ぎるず、生呜の倚様性が倱われ、生呜力が萜ちお匱るのです。しかし、こうなっおしたった人参でも、次の幎に無遞抜で䞀回自家採皮をするず、たた元気になりたす。生呜ずはなんず神秘なのでしょうか。

 橋本自然蟲苑では、幎間40皮類以䞊の皮を自家採皮しおいたすが、実は、これはなかなか倧倉な䜜業なのです。皮を採るためには党郚を収穫せずに、母本になる株を遞び残しおおきたす。同じ科の䜜物同志は、亀雑を防ぐためネットをかけたり、離れた畑に怍えかえるなどの手間がかかるうえ、堎所も必芁ずなりたす。

 ある自然蟲法の生産者が、毎幎矎しい立掟な倧根を䜜っおいたした。私は、その倧根の皮が欲しかったのです。それである幎に、お願いしお分けお頂きたした。ずころがその翌幎に、その方は亡くなっおしたったのです。もらった皮は播いおみるず、以倖にも亀雑が酷くお、䜿えるものではありたせんでした。でも私はその皮を捚おる事が出来たせんでした。皮にはその生産者の想いが入りたす。ひず぀ひず぀の皮に思い入れが無ければ、生産者は自家採皮を続ける為のモチベヌションは保おたせん。1幎ごずに、愛情を泚いで自家採皮を続けお来た皮は、その土地にしかない皮に倉化し、やがおその地域の文化にたで発展したす。文化は人の生き方であり、倚様性の衚れでもありたす。それは䞖界を豊かにしおいくのです。

 垂販の野菜の皮は、次䞖代が育たない“雄性䞍皔”ゆうせいふねんの方向ぞ進んでいたす。自然蟲法は、次䞖代をより匷くいいものにしおいきたす。生呜の根源である皮を守りたしょう。                              

                                     橋本 進


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